子供の頃、寿司については二つの思い出がある。
実家がほとんど年中無休の商売をしていたので、父にどこかへ遊びに連れて行ってもらったという記憶があまりない。
ただ、最終的にどこへ行ったのかは覚えていないのだが、帰り道ビルの階段を登って、小さな店に入り、そこでお寿司を食べた記憶だけが残っている。
それも、
・鉄火巻き
だけだったと思う。
美味しかったという記憶である。
もう一つは、自宅で父が寿司を握ったことである。
出刃包丁をたくみに使って魚をさばくことがうまかった父は、食卓の上に大きなまな板を乗せ、次々にネタを作っていく。
一方母は、酢飯を団扇で扇いで冷ましていく。
だが、大ぶりの
・マグロ
が乗ったお寿司が並んでくると、周りを囲んでいる子供たちはもはや待てないのである。
末っ子だった私が手を出すと、残りの兄弟も一斉に手を出した。
まだ温かい酢飯に乗った一口ではほおばれないようなマグロ。
この父の寿司を食べると、本職の寿司屋で食べる寿司がなぜか美味しく感じられなかった。
以前に住んだことがある新潟だが、魚が美味しいと言っても私が住んでいた町には、もはや観光地以外に市場や、また街中に魚屋が無く、東京と同様にスーパーでパックの切り身が売られていた。
自分で魚が捌けるわけでもないのに、なんだか残念に思っていた。
ただ、美味しいのが回転寿司屋の寿司である。
ネタが新鮮そうで、それにサイズが大きく、子供の頃に父に連れられた寿司屋の味や、家で父が作った寿司を思い出させてくれた。
最近では回転寿司は、
・天下寿司
にこだわっている。
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